喫煙ブースとして灰皿を置くだけでは不充分?分煙が求められる理由とは
受動喫煙を防止することを目的として分煙に取り組んでいます。これは世界中で取り組まれているので、今後もこのような流れが止まることはないでしょう。形だけ取り組むのではなく、目的を理解して取り組むことが大切です。健康被害で悩まされる人が1人でも少なくなるようにしましょう。喫煙者も気持ちよくタバコを吸えるようにしてください。
分煙は法令遵守の必須条件?
健康増進法が根拠になります。日本だけではなく世界中で分煙に取り組んでいるので、形だけではなくきちんと取り組みましょう。
受動喫煙防止対策が進行している
これまでは努力義務として分煙に取り組んできましたが、昨今の健康意識の高まりや、受動喫煙に関する問題意識が浮上している影響などもあり、分煙が徹底して行われるようになっています。世界規模のスポーツ大会でも取り組まれたことを踏まえると、日本だけではなく世界で受動喫煙の問題意識が浮上していることが分かります。
今後は、このような取り組みが世界基準になっていくでしょう。また、きちんと配慮した行動をとっていることを国内外に示すことで、国際社会にアピールする狙いもあります。
健康被害が問題視されている
タバコの副流煙の健康被害が日本でも問題視されています。副流煙が問題視される理由は化学成分にあります。ニコチン、タール、一酸化炭素の量が主流煙よりも多くなっていて、そのなかには発がん性物質も含まれています。
受動喫煙が健康被害にもたらす影響として、肺がんなどの死亡者数が年間でおよそ6,800人になっていますが、およそ50%以上で受動喫煙が原因となっていることが明らかになりました。企業で分煙を推進して徹底することは、スタッフの健康を守ることにもなるので、法令順守の必須条件となるでしょう。
企業に課される法的責任
まず、健康増進法が根拠になります。多くの屋内施設で喫煙できません。また、20歳未満の人は喫煙エリアに立ち入ることも禁止されています。
そのほかにも、屋内施設で喫煙するときには喫煙室を設置することも定められています。根拠となる法律は健康増進法だけではなく、労働安全衛生法もあります。企業の特性に応じた受動喫煙を防止するための取り組みに努めなければいけません。
灰皿を置くだけでは不充分?
喫煙する場所を設けるだけでは不充分です。目的は受動喫煙を防止することなので、それを忘れないようにしましょう。
職場の喫煙状況の把握
喫煙する人の現状把握に努めるだけではなく、喫煙しない人にヒアリングを行うことも大切です。たとえば、屋内施設に設置されている喫煙室の前を通り過ぎるときや、屋外に設置されている喫煙スペースの横を通り過ぎるときに、煙の臭いが気になってしまうというような意見を丁寧にヒアリングします。
喫煙者に対するヒアリング内容は、喫煙のマナーがよくない人がいるかどうか、喫煙時間の設定に対して意見があるかどうかなどが有効でしょう。職場で勤務するスタッフが気持ちよく就業できるような環境づくりに力を注ぐようにします。
設備投資に向けた方針を検討する
屋内施設に喫煙室を設ける場合は、費用が発生するので設備投資しなければいけません。また、屋外に喫煙スペースを設ける場合も、区画整理などの作業を実施しなければいけないので費用が発生するでしょう。費用対効果を分析した結果、全面禁煙に踏み切ることになるかもしれません。その場合は、これまで使用していた灰皿などを撤去するための費用が発生するので、いずれにしても方針を検討しなければいけません。
スタッフに向けた説明会や勉強会を開催する
スタッフに行動を促すときは、命令や指示だけではなく説明する必要があります。企業として受動喫煙防止のための施策を講じる理由や、健康被害が増大するリスクなどについて説明しましょう。スタッフは世の中の流れを肌で感じているので、いずれそのような行動に移るのではないかと予想していたものの、喫煙者と非喫煙者では受け止め方が異なる場合があります。
どちらか一方をフォローするのではなく、周りの人に配慮した行動が、これまで以上に求められていることを説明しましょう。
屋内の喫煙室の基準
喫煙室に灰皿を設置すれば問題ないと考える人もいるでしょう。しかし、これだけでは対策として不充分です。法律に記載されている技術的基準として、煙が広がらないように壁や天井を設けること、タバコの煙が廃棄されることなどが記載されています。場所を設けるだけではなく、受動喫煙を防止するための取り組みが行われていることが前提となっています。
屋外の喫煙スペースの基準
立ち入らないような場所に設けるようになっています。たとえば、道路の中央に設けるのではなく隅に設けるなどします。そして、喫煙スペースであることが周囲の人に分かるように、標識を立てるようになっています。
喫煙ブースを導入することで実現する分煙の快適性と健康増進
街の景観がよくなるだけではなく、火災予防にもつながります。また、煙を誤って吸引することがないので、健康被害に悩まされることもありません。
タバコのポイ捨て問題が解消される
喫煙スペースでたばこを吸うようになると、道路上などにタバコがポイ捨てされることがなくなります。その結果、景観が美しくなるだけではなく、火の不始末が原因となる火災の発生を予防できます。
ただし、喫煙所に灰皿が設置されていることが条件となるでしょう。携帯できる灰皿を持っている人はそちらを使用しますが、持っていない人は喫煙スペースにタバコを捨ててしまうこともあるでしょう。
煙が広がらなくなる
法律に記載されている技術的基準を満たした喫煙室や喫煙スペースでタバコを吸うようになると、煙が広がらなくなります。その結果、受動喫煙を防止できるので健康被害に悩まなくなるでしょう。喫煙者が周囲の人に配慮することで、気持ちよくタバコを吸えるようになります。
喫煙ブースに必要な分煙設備の種類とそれぞれの特徴
2種類の分煙設備を紹介します。メリットを参考にして導入を検討しましょう。設備投資するときは、初期費用だけではなく長期的な視点も踏まえて検討することが大切です。また、喫煙者がこの機会に禁煙するようになると、喫煙ブースを設置しないで全面禁煙にする選択肢も生まれます。
カウンター型およびテーブル型
テーブルに分煙機が内蔵されているのが特徴です。周囲でタバコを吸うと煙が広がりにくくなります。耐用年数は6年となっているので、設備投資するときの参考にしてください。減価償却で算出できるようになっています。こちらのメリットは、重量物ではないので、設置や移動が楽にできます。また、キャビン型分煙機と比較すると低コストとなっています。
キャビン型分煙機
こちらは壁で仕切る方法です。ただし、壁で仕切るだけでは煙が広がってしまう恐れがあるので、空気清浄機を設置します。点検やフィルター清掃などの手間が発生するので、業者にメンテナンスを依頼するのか自社で取り組むのか検討しましょう。こちらのメリットは、壁で仕切るだけなので短時間で設置できます。また、施設の規模や大きさなどを考慮してサイズや形状を選択できます。
まとめ
喫煙者も非喫煙者も気持ちよく過ごせるように配慮した行動をとりましょう。世の中の流れは確実に変化しています。健康意識の高まりは世界中で加速していくでしょう。分煙することで、景観が美しくなるだけではなく、子どもも大人も健康的に毎日を過ごせるようになります。具体的な取り組み方が分からない人は、分煙設備の画像を確認するなどして、イメージアップを図ってください。
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