スモークハラスメントはどう対策したらよい？実例を交えてご紹介！

ハラスメントの一つとしてスモークハラスメントは昔からあった問題ですが、最近になってその被害の多さから注目されるようになりました。気付かぬうちに加害者になってしまわないように喫煙者はスモークハラスメントというものを知っておいたほうがよいでしょう。今回は、スモークハラスメントの概要や対処法について深掘りします。

スモークハラスメントとは

スモークハラスメントとは、タバコを吸うことで非喫煙者に迷惑をかける行為のことです。たとえば喫煙者が非喫煙者に喫煙を強要したり、周りの人に断りもなく喫煙をしたりしてしまうことなどです。非喫煙者にとってタバコの煙を吸うことは、かなりのストレス・病気の原因となってしまうことがあるので、タバコを吸う場合は非喫煙者に配慮しなければなりません。

受動喫煙も非喫煙者が嫌がればスモークハラスメントの一つです。これはランチを食べた後など、悪気なく行ってしまいがちな行動の一つなので喫煙者は注意したほうがよいでしょう。その一方で非喫煙者が喫煙者に対してタバコを吸っているからという理由で差別したり嫌がらせをしたりするケースも増えています。迷惑をかけない範囲であれば喫煙者はタバコを吸う権利があるのです。喫煙者は、非喫煙者に配慮してタバコを吸う必要があることは前述しましたが、非喫煙者も喫煙者のことを理解する必要があります。喫煙に関する問題は喫煙者だけの問題ではないということは知っておきましょう。

スモークハラスメントの実例

さまざまなハラスメントの中でも回避が難しいといわれているのがスモークハラスメントです。知らない人が近くでタバコを吸っていた場合、自分がその場を離れれば済むでしょう。しかし、職場で上司に行われた場合は回避することが簡単ではないでしょう。ここでは、実際にあったスモークハラスメントをご紹介します。

周りに配慮して喫煙する

周りにいる人に断りもなくタバコを吸ってしまった場合、スモークハラスメントといわれても仕方ありません。ランチや飲み会、打ち合わせのときに多く発生します。前述のとおり、職場で上司にタバコを吸われてしまうと「タバコを吸わないでください」とはなかなかいえません。上司が自由にタバコを吸ってしまうと非喫煙者は、我慢する以外に方法がないのです。スモークハラスメントによるストレスが原因で社員が会社をやめてしまうというケースも存在するので、タバコは分煙された場所だけで吸うなど喫煙者が気をつけて行く必要があります。

喫煙を強要する

当然ですが、非喫煙者にタバコを吸うのを強要してはいけません。強要ではなく、すすめただけというケースもありますが、上司の言葉はなかなか拒否しづらいものです。職場に喫煙者が多い場合や、大学で友達の多くがタバコを吸っている場合に多く発生します。非喫煙者はなんとなくやその場のノリで行っていることが多いのですが、非喫煙者にとっては甚大なストレスになってしまいます。非喫煙者がそこまで嫌がってるように見えないこともあるかもしれませんが、上司との関係や友達との雰囲気を壊さないために我慢していることがほとんどです。悪気なくすすめていても、悪化すれば訴訟問題に張ってしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

休憩から帰ってきた人のタバコのニオイが強い

少しのニオイであればほとんどの場合問題ありませんが、強いニオイがスーツに染み付いていることも考えられます。ニオイをすべてなくすことは難しいかもしれませんが、要らないトラブルを起こさないためにも喫煙後は消臭スプレーを使うなど、できる限りニオイは消すほうが得策です。

歩きタバコ

歩きタバコはモラルにも反していますが、スモークハラスメントになってしまう可能性もあります。街中で見かけることの多い歩きタバコは、人にタバコの火が当たったり煙を浴びせたりする危険性があります。喫煙所が少なくなっている今、道路で喫煙してしまうという方もいますが、タバコを吸う際はモラルを持って喫煙所で吸うようにしましょう。

スモークハラスメントの対策方法

スモークハラスメントは、退職や訴訟につながりかねない問題です。会社側は、優秀な人材を確保するためにも非喫煙者が過ごしやすい社内を作る必要がある時代になってきました。会社は具体的にどのような手を打つことができるのでしょうか。

社内ルールの見直し

社員一人ひとりに任せるのではなく、会社がしっかりと喫煙に関するルールを決めることが大切です。会社がルールを決めていなければ、上司や同僚も悪気なくスモークハラスメントをしてしまう可能性もあります。また「上司のタバコに耐えられない」という理由で社員が退職していってしまうと、会社にとってもよくありません。スモークハラスメントを行なった場合の罰則を明記したり、ポスターを貼り出したりしてもよいでしょう。スモークハラスメントはよくないという雰囲気や風土を作ることが、喫煙によるトラブルを減らすスタートです。

分煙環境の整備

社内に喫煙エリア作ることも大切です。近年日本では、努力義務としてすでに喫煙エリアを設置している会社も増えてきました。しかし、なかには喫煙エリアが明確に決まっていない会社もあるので、そのような会社は早急に分煙環境を整備する必要があるでしょう。大手企業では屋内全面禁煙を徹底しているので、スモークハラスメントの被害はほとんどありません。

一方で屋上でも喫煙エリアでも一切のタバコを禁止してしまうと、喫煙者への逆ハラスメントになってしまう可能性もあります。分煙の環境さえきちんと整えさえすればスモークハラスメントのトラブルは確実に減らすことができるため、まずは喫煙エリアの設置からスタートするのがよいかも知れません。

対応窓口の設置

スモークハラスメントの専用窓口を設置し、いつでも相談できる環境を作るのも重要です。窓口がないとどこに相談すればよいのか分からずストレスがピークに達し、そのまま退職というケースも考えられます。被害を受けた方のストレスを軽減するためにも、対応窓口を作ることは効果的だといえるでしょう。

スモークハラスメントを未然に防ぐには

分煙環境の整備を進めただけでは、スモークハラスメントが解決するわけではありません。もちろん対応窓口があるだけでも効果はありますが、実際に窓口に相談できないという人も一定数いるでしょう。有給という制度があるにもかかわらず、有給が使いにくい会社があるのと同じことです。相談しやすい環境を作るためにも会社側が普段から、営業回りの際に受動喫煙の被害に遭っていないか、飲み会の時に喫煙を強要されていないかなどを確認することが大切です。

思っている以上に上司のタバコを我慢している方は多いので注意しましょう。喫煙者と非喫煙者が快適に過ごすためにも、飲み会では「タバコ組」と「非タバコ組」で席を分けるなど仕事以外でも工夫できることは多くあります。まずは双方がお互いに配慮するという意識を持つことが重要です。

まとめ

ここまで、スモークハラスメントの対策方法や実際にあった実例についてご紹介しました。現在日本は、ほかの先進国に比べ喫煙対策が遅れているといわれています。アイルランドでは、公共の場での喫煙を全面的に禁止にしたり、アメリカでは半数以上の州が屋内での喫煙を禁止にしたりしています。まだまだ喫煙者が多い日本ですぐに全面禁煙は難しいですが、非喫煙者に迷惑をかけないということは可能です。また喫煙が禁止になっていない以上、喫煙者にも喫煙する権利があります。この問題で重要なのは「タバコを吸うなら配慮する」ということです。要らぬトラブルを避けるためにも、分煙スペースの整備や対応窓口の設置など会社側が率先して動くことが必要不可欠です。

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